琥珀色の誘惑 ―王国編―
舞はミシュアル王子から決断を迫られ……。


「形だけ……だよね? ライラを抱いたりしないよね?」


おずおずと口を開いた舞は、上目遣いにそんなことを尋ねた。


「だったら、それでも構わない。だって、どうせ第一夫人にはなれないんでしょ? わたしが年を取ってから、十代の正妃とか貰われるよりマシだもん」


なるべく、何でもないことのように舞は言う。


「舞、決まった後で覆すことは不可能となる。本当に良いのだな?」


ミシュアル王子がどんな答えを求めているのか、舞にはわからない。


「わたしは、アルを信じると言ったから……女に二言はない。何番目でも、アルにとって妻はわたしだけだって一生信じる! アッラーに誓うわっ!」



< 307 / 507 >

この作品をシェア

pagetop