琥珀色の誘惑 ―王国編―
「アル! 後ろっ!」
舞が叫ぶと同時に、ミシュアル王子が真っ先にしたのは彼女の腕を掴んだことだった。
自分の後ろに舞を隠し、彼は腰に吊るしたジャンビーアを右手で抜いた。そして、斬りかかる兵士の剣を思い切り薙ぎ払う。すると、なんと兵士の剣は真っ二つに折れたのだ。
どうやら、王子の持つ剣とは質が違うらしい。
折れた剣を片手に呆然と立ち尽くす兵士の胸に、ミシュアル王子のジャンビーアが叩き込まれる。
骨が砕けるような音が聞こえ、兵士はその場に倒れ込んだ。
(こっ……殺したのっ?)
蒼白になる舞の後方で何かが風を切る音がした。
その瞬間――。
「舞っ!」
ミシュアル王子が日本語で舞の名を叫び、掴んだ腕をグイッと引いた。
腕が抜けそうなほど痛い。被っていた砂色のアバヤがふわっと外れ、花嫁衣裳を身につけた舞の姿が露わになる。
その直後、舞が二秒前まで居た場所を、ジャンビーアの刃が切り裂いた!
舞が叫ぶと同時に、ミシュアル王子が真っ先にしたのは彼女の腕を掴んだことだった。
自分の後ろに舞を隠し、彼は腰に吊るしたジャンビーアを右手で抜いた。そして、斬りかかる兵士の剣を思い切り薙ぎ払う。すると、なんと兵士の剣は真っ二つに折れたのだ。
どうやら、王子の持つ剣とは質が違うらしい。
折れた剣を片手に呆然と立ち尽くす兵士の胸に、ミシュアル王子のジャンビーアが叩き込まれる。
骨が砕けるような音が聞こえ、兵士はその場に倒れ込んだ。
(こっ……殺したのっ?)
蒼白になる舞の後方で何かが風を切る音がした。
その瞬間――。
「舞っ!」
ミシュアル王子が日本語で舞の名を叫び、掴んだ腕をグイッと引いた。
腕が抜けそうなほど痛い。被っていた砂色のアバヤがふわっと外れ、花嫁衣裳を身につけた舞の姿が露わになる。
その直後、舞が二秒前まで居た場所を、ジャンビーアの刃が切り裂いた!