琥珀色の誘惑 ―王国編―
(なんで? なんで、急にこんな刃傷沙汰になるのっ?)
と、ミシュアル王子に聞きたい。
だが、舞を狙った兵士に向ける王子の眼差しを見た瞬間、彼女は呼吸を忘れそうになった。
その琥珀色の瞳には松明の炎が明々と映り込み、危険極まりない輝きを放っているではないか。
『貴様……女を狙ったな』
ミシュアル王子の口から唸るようなアラビア語が発せられた。
舞を狙った兵士は、よっぽどマッダーフに忠誠を誓っているらしい。見てわかるほど膝を震わせながら、それでも奇声を上げてミシュアル王子に斬り掛かる。
だが、王子とは体格も腕前も桁違いだ。彼は左手で舞を掴んだまま、右手一本で兵士の剣を弾き飛ばした。
そのまま、兵士の右腕をジャンビーアの背で叩き折る。更に、腕を押さえ倒れそうになる兵士の顔面にジャンビーアの柄を叩き込んだのだ。
周囲には、歯の二~三本で済めばラッキーだろうな、という凄まじい音が響き渡った。
なんとその隙に、マッダーフは広場を抜け出そうとしたらしいが……。
と、ミシュアル王子に聞きたい。
だが、舞を狙った兵士に向ける王子の眼差しを見た瞬間、彼女は呼吸を忘れそうになった。
その琥珀色の瞳には松明の炎が明々と映り込み、危険極まりない輝きを放っているではないか。
『貴様……女を狙ったな』
ミシュアル王子の口から唸るようなアラビア語が発せられた。
舞を狙った兵士は、よっぽどマッダーフに忠誠を誓っているらしい。見てわかるほど膝を震わせながら、それでも奇声を上げてミシュアル王子に斬り掛かる。
だが、王子とは体格も腕前も桁違いだ。彼は左手で舞を掴んだまま、右手一本で兵士の剣を弾き飛ばした。
そのまま、兵士の右腕をジャンビーアの背で叩き折る。更に、腕を押さえ倒れそうになる兵士の顔面にジャンビーアの柄を叩き込んだのだ。
周囲には、歯の二~三本で済めばラッキーだろうな、という凄まじい音が響き渡った。
なんとその隙に、マッダーフは広場を抜け出そうとしたらしいが……。