琥珀色の誘惑 ―王国編―
「これって……なんで、ここにいるの?」
再びアバヤを被らされ、アル=エドハン一族の野営地から少し離れた場所に着くと……例の馬がいた。
そう、日本でミシュアル王子が乗って官舎までやって来た白馬!
なんと、日本から空輸したという。他の馬は一回り小さなアラブ馬なのに、その白馬だけやけに大きい。サラブレッドだから当然だろうが。
ミシュアル王子は「自然界において、一際目立つ白毛馬はすぐに襲われるだろう」とポツリ。
確かに、砂漠で白馬……あまりにも目立ちすぎだ。
しかも、日が暮れて月と星の明かりしかない状態では、まるで蛍光塗料でも塗られたように輝いている。
「我らを儀式の場所まで案内してくれる。その後は乗馬にするか……。ドバイの厩舎に預けて、レースに出すことも出来る」
先に白馬に跨り、ミシュアル王子は笑いながら舞を馬上に引き上げた。
馬はヤイーシュに助けられた時に乗ったのが初めてだ。あの時より馬の背は高く、抱き止める腕がミシュアル王子だと思うとドキドキする。
ふたり乗りの鞍で、王子に横抱きにされながら、舞はゆらゆら揺れていた。
満月が空に浮かび、まるで月まで歩いて行くみたいだ。
もっと寒いのかと思ったけれど、王子の腕の中は意外と温かく、心地よかった。
再びアバヤを被らされ、アル=エドハン一族の野営地から少し離れた場所に着くと……例の馬がいた。
そう、日本でミシュアル王子が乗って官舎までやって来た白馬!
なんと、日本から空輸したという。他の馬は一回り小さなアラブ馬なのに、その白馬だけやけに大きい。サラブレッドだから当然だろうが。
ミシュアル王子は「自然界において、一際目立つ白毛馬はすぐに襲われるだろう」とポツリ。
確かに、砂漠で白馬……あまりにも目立ちすぎだ。
しかも、日が暮れて月と星の明かりしかない状態では、まるで蛍光塗料でも塗られたように輝いている。
「我らを儀式の場所まで案内してくれる。その後は乗馬にするか……。ドバイの厩舎に預けて、レースに出すことも出来る」
先に白馬に跨り、ミシュアル王子は笑いながら舞を馬上に引き上げた。
馬はヤイーシュに助けられた時に乗ったのが初めてだ。あの時より馬の背は高く、抱き止める腕がミシュアル王子だと思うとドキドキする。
ふたり乗りの鞍で、王子に横抱きにされながら、舞はゆらゆら揺れていた。
満月が空に浮かび、まるで月まで歩いて行くみたいだ。
もっと寒いのかと思ったけれど、王子の腕の中は意外と温かく、心地よかった。