琥珀色の誘惑 ―王国編―
「わかってる。あの……サディーク殿下から色々聞いたんだけど」
「抗議は聞かぬ。これ以外に手段はなかった。お前から日本国籍と家族を奪ったことは認めるが、もうクアルン国民になったのだ。それが数日早まり、ラフマーン国を経由したからと言って……」
「ありがとう。本当は、たったひとりの妻で、正妃になりたかった。アルがいてくれたら、それでいい。わたし、とっても幸せだから」
舞は花嫁衣裳のまま、ふわっと柔らかく微笑んだ。
ミシュアル王子は声もなく、目を見開いて新妻を見つめた。
「ねぇアル、頑張って男の子を産むからね! もっともっと幸せにしてね。ずーっとアルの最愛の妻でいられるように……」
次の瞬間、舞は言葉を失った。
もっとたくさんの感謝と愛の言葉を伝えたい。そう思っていたのに……。
なんとミシュアル王子が片膝をつき、舞を見上げている。
そして――――
「抗議は聞かぬ。これ以外に手段はなかった。お前から日本国籍と家族を奪ったことは認めるが、もうクアルン国民になったのだ。それが数日早まり、ラフマーン国を経由したからと言って……」
「ありがとう。本当は、たったひとりの妻で、正妃になりたかった。アルがいてくれたら、それでいい。わたし、とっても幸せだから」
舞は花嫁衣裳のまま、ふわっと柔らかく微笑んだ。
ミシュアル王子は声もなく、目を見開いて新妻を見つめた。
「ねぇアル、頑張って男の子を産むからね! もっともっと幸せにしてね。ずーっとアルの最愛の妻でいられるように……」
次の瞬間、舞は言葉を失った。
もっとたくさんの感謝と愛の言葉を伝えたい。そう思っていたのに……。
なんとミシュアル王子が片膝をつき、舞を見上げている。
そして――――