琥珀色の誘惑 ―王国編―
「ああ……確かに」
やっと、ミシュアル王子も落ち着きを取り戻したらしい。
「私としたことが、うっかりしていた。初夜に相応しい寝台が用意してあるはずだ」
それは、砂漠のテントの中で、お目に掛かれるとは思わなかった代物だ。
テントはスイート仕様で、次の間の中央にクイーンサイズのベッドがドンッと鎮座していた。ロータイプで余計な飾りは一切ない。
ただ、シーツの肌触りもスプリングの跳ね具合も実に素晴らしい。
王子に抱えられ、その真ん中に下ろされた瞬間、舞はそんなことに感心していた。
花嫁衣裳はあらかた脱がされた状態である。
そして、ちょっとはしたないかな、と思いつつ……。膝下まで落ち足首に絡まった衣装を、片方のつま先で外してベッドの外に押し出した。
舞を下ろして、ミシュアル王子は一旦離れようとする。でも舞は、彼の首に手を回したまま、ちょっとだけ甘えてみたくなった。
「ね、アル。キスして」
「……私が脱ぐまで待て」
「やだ、わたしとキスしたくないの?」
やっと、ミシュアル王子も落ち着きを取り戻したらしい。
「私としたことが、うっかりしていた。初夜に相応しい寝台が用意してあるはずだ」
それは、砂漠のテントの中で、お目に掛かれるとは思わなかった代物だ。
テントはスイート仕様で、次の間の中央にクイーンサイズのベッドがドンッと鎮座していた。ロータイプで余計な飾りは一切ない。
ただ、シーツの肌触りもスプリングの跳ね具合も実に素晴らしい。
王子に抱えられ、その真ん中に下ろされた瞬間、舞はそんなことに感心していた。
花嫁衣裳はあらかた脱がされた状態である。
そして、ちょっとはしたないかな、と思いつつ……。膝下まで落ち足首に絡まった衣装を、片方のつま先で外してベッドの外に押し出した。
舞を下ろして、ミシュアル王子は一旦離れようとする。でも舞は、彼の首に手を回したまま、ちょっとだけ甘えてみたくなった。
「ね、アル。キスして」
「……私が脱ぐまで待て」
「やだ、わたしとキスしたくないの?」