琥珀色の誘惑 ―王国編―
しかし、これまで想像したこともない恥ずかしい格好をさせられ、上から一九〇センチを超える男性に圧し掛かられたのだ。

挙げ句に、力任せに挿入を繰り返されたら……それで楽しめと言うほうが無茶だろう。


舞はずっと「痛い」と言い続けた。


でも少しすると、下半身の感覚が麻痺したようになり、痛みはあまり感じなくなる。この時にはもう、とにかく早く終わってくれることだけを願う舞だった。


まったくもって散々な初体験。でも、彼が必死で謝ってくれたから……舞は怒れなかった。

もちろん、それには理由もある。

舞はこの時まで、ミシュアル王子はたくさんの女性と色んな経験をしてきた、と考えていた。だが、それはとんでもない勘違いだった。

どうやら、厳格なルールの下で女性を与えられてきた、と言った感じなのだ。

彼は舞に経験を問われ、真剣に指を折りながら数えている。しかも、片手で足りる回数を答えられ……。


(あの自信はいったい何処から来たのよっ!?) 


心の中でそう叫び、初夜の件は許してあげることにしたのだった。



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