琥珀色の誘惑 ―王国編―
だが……このクアルンをはじめイスラム諸国では、人前で男女が触れ合うことはNG。違法になるという。
しかも、今ふたりを警備しているのはラクダの乗ったアル=エドハン一族の若い男たち。そう言えばヤイーシュが「しきたりにうるさい部族」と言っていた。
「ねぇアル。オアシスでエッチなことをしよう、とか考えてる?」
「そんな不埒なことを考えるわけがなかろう」
「でも……お尻にジャンビーアが当たってるよ」
「そ、それは、お前が私を誘惑するからではないかっ!?」
どことなく慌てふためくミシュアル王子を見るのは初めてで嬉しい。
ついつい舞は、
「ねぇねぇアル! まだアルが――わたしの中にいるみたいなんだよ。なんか変な感じ。でも、嫌じゃないの。こういう感覚ってアルに判る?」
彼の胸にぴったりと体を寄せ、甘えるように囁いてみた。
「舞……それ以上ひと言でも口にすれば、私たちはラクダから転げ落ちる羽目になる。王太子命令だ。オアシスまで口を閉じておけ」
「はーい。あ・な・た」
(信じられない! わたしにこんな日が来るなんてっ!)
夢見心地で浮かれる舞だった。
しかも、今ふたりを警備しているのはラクダの乗ったアル=エドハン一族の若い男たち。そう言えばヤイーシュが「しきたりにうるさい部族」と言っていた。
「ねぇアル。オアシスでエッチなことをしよう、とか考えてる?」
「そんな不埒なことを考えるわけがなかろう」
「でも……お尻にジャンビーアが当たってるよ」
「そ、それは、お前が私を誘惑するからではないかっ!?」
どことなく慌てふためくミシュアル王子を見るのは初めてで嬉しい。
ついつい舞は、
「ねぇねぇアル! まだアルが――わたしの中にいるみたいなんだよ。なんか変な感じ。でも、嫌じゃないの。こういう感覚ってアルに判る?」
彼の胸にぴったりと体を寄せ、甘えるように囁いてみた。
「舞……それ以上ひと言でも口にすれば、私たちはラクダから転げ落ちる羽目になる。王太子命令だ。オアシスまで口を閉じておけ」
「はーい。あ・な・た」
(信じられない! わたしにこんな日が来るなんてっ!)
夢見心地で浮かれる舞だった。