琥珀色の誘惑 ―王国編―
「…………」 


得意気に笑う姿に、舞は呆れて声も出ない。


「――これほど甘い蜜を滴らせているとは知らなかった。味わったのは初めてだ。それに、非常に可愛らしいピンクダイヤを見つけた。あれは私だけの宝石だな」


それは舞にとっても初めての経験で……。

「どうした、舞?」

「ア、アルの……」


(変態! ドスケベ!)


ありったけの言葉で怒鳴ってやる! と思ったのは一瞬のこと。

舞の肌に頬擦りしながら、「夜が楽しみだ。寝室でたっぷり味わいたい」……臆面なく、嬉しそうに語る彼の顔を見ていると。


「い……痛くしたらダメだからね」

「承知した」


ミシュアル王子はこれ以上ない優しい声で答え、濡れた唇で舞の髪にキスをした。


(だって、だって、めちゃくちゃ気持ちよかったんだものーっ)


自分で自分に必死で言い訳をする舞だった。


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