琥珀色の誘惑 ―王国編―
「アル、ひょっとしてヤキモチ妬いてるの?」

「餅など焼いてはおらん!」
 

舞がジッと見つめていると、ミシュアル王子の顔色が濃くなった。どうやら赤面しているらしい。

ヤキモチの意味はわからなくても、からかわれていることは察しているようだ。

王子の様子がどこか可愛らしく、舞は三人掛けのソファに転がるようにして笑った。

その瞬間、影が舞の上に覆いかぶさる。


「ア、アル?」

「よくも笑ったな。夫を笑い者にするとは」

「別にそんな……ただちょっと可愛いな、なんて」

「わ、わたしが可愛いだと!? そんな考えはすぐさま打ち消してやる」


ギシッとソファが軋んだ。


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