琥珀色の誘惑 ―王国編―
二度目なのでまだまだ違和感はある。でも裂けるような痛みはなく、舞はホッとするあまり涙が込み上げてきた。


「良かったぁ。毎回痛かったらどうしようって、すっごく怖かった」


ミシュアル王子に逢うまで、舞は多少のことでは泣かない女の子だった。それが恋をした途端、ちょっとしたことでもポロポロ涙がこぼれてしまう。


「大丈夫だと言ったはずだ。私が信じられぬのか?」

「そんなわけ……ない、ってば。信じてなかったら……ここには、いない、もの」


その後は、舞の反応を見てはミシュアル王子はゆっくりと動く。

舞が気持ち良い状態の時は潤滑油が次々に溢れ、王子の動きは更なる快感の呼び水となる。ところが、少しでも苦痛を覚えると……。経験の少なさゆえか、内部はあっという間に干上がり、わずかな動きにも痛みが伴い始める。

そうなると、ミシュアル王子は何度も休憩を挟んだ。

その後……彼は持ち前の根気強さを発揮して、舞に悦びを与え続けたのだった。




『殿下、不法入国もいい加減にして下さい。ごまかし切れなくなります。続きは砂漠に戻ってからにして下さいっ!』


一向に戻らない王太子夫妻に業を煮やし、一族の者がターヒルに連絡を取り……。

ターヒルから怒りの電話が掛かってきたのは、新婚四日目の朝だった。


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