琥珀色の誘惑 ―王国編―
『アル! あ、いや陛下』
兄の姿を見つけ、駆け寄って来たのはラシード王子だ。長年想い続けたライラを妻にして、上機嫌の第三王子である。
『やあ、サディーク。聞いたよ、アルの義父になるんだって? 随分、思い切ったことをしたもんだなぁ。さすが兄上だ』
軽口を叩くラシード王子にサディーク王子は手を伸ばし、二人は握手を交わして挨拶をする。
『ラシード、結婚おめでとう。プリンセスもいるそうだな。話は聞いている。君の決断は正しかった』
サディーク王子は力強い声で言った。
ラシード王子は味方を得て満面の笑顔だ。しかし、不満の残るミシュアル王子は二人の会話を遮った。
『シド、私を探していたのか? 何用だ?』
『ああ、えっと……ディルから連絡があった。戻れない、ってさ。日本で行われる披露宴にも、出席出来ないそうだ。あの、ちょうどその期間はアメリカに出張があるから、と』
兄の姿を見つけ、駆け寄って来たのはラシード王子だ。長年想い続けたライラを妻にして、上機嫌の第三王子である。
『やあ、サディーク。聞いたよ、アルの義父になるんだって? 随分、思い切ったことをしたもんだなぁ。さすが兄上だ』
軽口を叩くラシード王子にサディーク王子は手を伸ばし、二人は握手を交わして挨拶をする。
『ラシード、結婚おめでとう。プリンセスもいるそうだな。話は聞いている。君の決断は正しかった』
サディーク王子は力強い声で言った。
ラシード王子は味方を得て満面の笑顔だ。しかし、不満の残るミシュアル王子は二人の会話を遮った。
『シド、私を探していたのか? 何用だ?』
『ああ、えっと……ディルから連絡があった。戻れない、ってさ。日本で行われる披露宴にも、出席出来ないそうだ。あの、ちょうどその期間はアメリカに出張があるから、と』