琥珀色の誘惑 ―王国編―
ライラは舞の嫉妬を差し引いても、強かで計算高い女にしか見えない。あのシャムスですらわかっているのに……。
(ホント男って……アルの馬鹿っ!)
舞は呆れ果て、彼に背を向けると掛け布の中に潜り込んだ。
「舞……何を怒っている?」
「……」
「答えぬつもりか?」
「……キャ!」
無言を押し通そうとした舞の身体に、ミシュアル王子は覆い被さった。掛け布越しに背後から抱き締められ、全身に彼の体重を感じる。
「正殿に戻らず、お前の許に忍んできた私を無視すると言うのか?」
それは熱に浮かされた喘ぐような声だった。舞の黒髪の間を割り、ミシュアル王子の唇が首筋に触れる。
「わ、わたしの名誉は? 結婚前にふたりっきりがバレたら」
「国民は日本からきた花嫁に好意的だ。そして、私たちはアッラーの神の思し召しに従っている。だから……舞、どうか私の願いを叶えてくれ」
そう言った瞬間、ミシュアル王子の手は掛け布を掃い、舞の素足に触れた。
(ホント男って……アルの馬鹿っ!)
舞は呆れ果て、彼に背を向けると掛け布の中に潜り込んだ。
「舞……何を怒っている?」
「……」
「答えぬつもりか?」
「……キャ!」
無言を押し通そうとした舞の身体に、ミシュアル王子は覆い被さった。掛け布越しに背後から抱き締められ、全身に彼の体重を感じる。
「正殿に戻らず、お前の許に忍んできた私を無視すると言うのか?」
それは熱に浮かされた喘ぐような声だった。舞の黒髪の間を割り、ミシュアル王子の唇が首筋に触れる。
「わ、わたしの名誉は? 結婚前にふたりっきりがバレたら」
「国民は日本からきた花嫁に好意的だ。そして、私たちはアッラーの神の思し召しに従っている。だから……舞、どうか私の願いを叶えてくれ」
そう言った瞬間、ミシュアル王子の手は掛け布を掃い、舞の素足に触れた。