琥珀色の誘惑 ―王国編―
(18)ハッピー・ウエディング
結婚披露宴と聞いて想像するものは――。
花嫁は真っ白のウエディングドレスか、文金高島田で色打掛。花婿は白かグレーの色合いが多い気がする。
男性の参列者は、やはり黒を基調としたスーツだろう。そして未婚の女性陣は、白以外の華やかなドレスか振袖姿ではないだろうか?
だが、クアルン王宮で催された国王夫妻の結婚披露宴は違った。
舞は心の中で……オセロみたい、と思っていた。
男性は白いトーブ、女性は黒いアバヤを着用し、それ以外の色が全くと言っていいほど見当たらない。花嫁の舞ですら、アバヤで全身を覆い真っ黒なのだ。
しかも、女性と男性が真っ二つに分かれていて、かなり静かだった。
その中で男性だけが席を立ち、順番にミシュアル王子の前に来て結婚の祝いを述べる。その時、舞が口に出来るのが『感謝します《シュクル》』の一言だけ……。
歌も音楽も流れない、さっきから百人以上に『シュクル』の言葉を言い続けている。
(コレって、何の罰ゲーム!?)
舞が心の中で叫んでも無理はないだろう。
ところが!
男性陣を置き去りにして、女性だけ別室に移ると……そこは別世界だった。
花嫁は真っ白のウエディングドレスか、文金高島田で色打掛。花婿は白かグレーの色合いが多い気がする。
男性の参列者は、やはり黒を基調としたスーツだろう。そして未婚の女性陣は、白以外の華やかなドレスか振袖姿ではないだろうか?
だが、クアルン王宮で催された国王夫妻の結婚披露宴は違った。
舞は心の中で……オセロみたい、と思っていた。
男性は白いトーブ、女性は黒いアバヤを着用し、それ以外の色が全くと言っていいほど見当たらない。花嫁の舞ですら、アバヤで全身を覆い真っ黒なのだ。
しかも、女性と男性が真っ二つに分かれていて、かなり静かだった。
その中で男性だけが席を立ち、順番にミシュアル王子の前に来て結婚の祝いを述べる。その時、舞が口に出来るのが『感謝します《シュクル》』の一言だけ……。
歌も音楽も流れない、さっきから百人以上に『シュクル』の言葉を言い続けている。
(コレって、何の罰ゲーム!?)
舞が心の中で叫んでも無理はないだろう。
ところが!
男性陣を置き去りにして、女性だけ別室に移ると……そこは別世界だった。