琥珀色の誘惑 ―王国編―
(20)とっておきのキス
「きゃー舞!」
「桃子ーーっ! 元気だった?」
桃子の顔を見た瞬間、舞は二ヶ月前に引き戻された。嬉しい反面、少し涙ぐむ。
そこは舞が最初にミシュアル王子を訪ねたホテルの一室。他国の王妃が簡単に出歩く訳にはいかないので、桃子にこっそり来てもらい、二人は再会した。
クアルン王国から連れて来ているSPはドアの外だ。
王妃付きの女官は合計八名が来日している。ただ、その中にシャムスの姿はなかった。現在は二人が部屋の隅に控えているが、彼女らは日本語がペラペラなので舞と桃子の様子に目を白黒させている。
桃子はふいに声を潜めて、
「ね、舞って呼んだらマズイかな? 妃殿下ってお呼びした方がいい?」
そんな親友に軽く手を振り、舞は答えた。
「この中だったら大丈夫。アルは今いないしね」
「なんていうか、ほとんど舞とは一緒にいない気がする……。それが公式行事なのかな? ねぇ舞、大丈夫?」
「桃子ーーっ! 元気だった?」
桃子の顔を見た瞬間、舞は二ヶ月前に引き戻された。嬉しい反面、少し涙ぐむ。
そこは舞が最初にミシュアル王子を訪ねたホテルの一室。他国の王妃が簡単に出歩く訳にはいかないので、桃子にこっそり来てもらい、二人は再会した。
クアルン王国から連れて来ているSPはドアの外だ。
王妃付きの女官は合計八名が来日している。ただ、その中にシャムスの姿はなかった。現在は二人が部屋の隅に控えているが、彼女らは日本語がペラペラなので舞と桃子の様子に目を白黒させている。
桃子はふいに声を潜めて、
「ね、舞って呼んだらマズイかな? 妃殿下ってお呼びした方がいい?」
そんな親友に軽く手を振り、舞は答えた。
「この中だったら大丈夫。アルは今いないしね」
「なんていうか、ほとんど舞とは一緒にいない気がする……。それが公式行事なのかな? ねぇ舞、大丈夫?」