琥珀色の誘惑 ―王国編―
目を閉じ、ミシュアル王子の吐息を感じたとき、舞の唇は自然に開いていた。教わったわけでもないのに、彼の動きに合わせるだけで、微妙に舌先が絡み合う。


「舞……この寝間着を脱いで、私に見せてくれないか?」


ミシュアル王子は舞の耳元に口づけながら、喘ぐようにとんでもないことを言い始めた。

「ダメよ! だって結婚までは、って」

「心配は要らぬ。私は決して脱がない。私がお前の中に押し入らぬ限り……お前の純潔は守られる」


(そ、そういうもんなの???)


 頭の中で疑問符が飛び回ったが、寝間着をたくし上げられ、そのまま脱がされそうになる。


「きゃ! 待って、待ってアル。自分で脱ぐから……だから、ちょっと、あっち向いてて」


妻の衣服を脱がすのは夫の権利だ、とブツブツ言っていたが、妥協したらしい。


「わかった。今夜はお前に譲ろう。だが、初夜は私の言う通りにして貰うぞ」


どっちでもいいじゃない、と以前なら言い返しただろう。

でも、舞の中で“性”の対する考えが少しずつ変わり始めていた。


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