琥珀色の誘惑 ―王国編―
さすがにカフェオレではなく、ホテルの用意してくれたブレンドコーヒーを出したのだが……。やっぱり不味いらしい。
「じゃあ、コレでも食べて元気出して」
そう言って舞がスッと差し出したのは“デーツ(ナツメヤシ)”だった。
ミシュアル王子の目がキラキラして「おおっ! 気が利くではないか」と言って、早速食べている。
「これでアラビアコーヒーが出て来れば最高なのだが……」
探るような視線を舞に向けた。
「残念でした。日本にいる間は我慢してよ」
「判った、我慢しよう。その代わり、別のものを提供して貰おうか」
今度は琥珀色の瞳がスイッチオンになったらしい。テーブルから身を乗り出し、舞を見つめながら唇を寄せてくる。
「もうっ! アルってば、まだ午前中よ!」
舞はミシュアル王子の口にナツメヤシを押し込み、自分はおやつのホットケーキを口に運んだのだった。
「じゃあ、コレでも食べて元気出して」
そう言って舞がスッと差し出したのは“デーツ(ナツメヤシ)”だった。
ミシュアル王子の目がキラキラして「おおっ! 気が利くではないか」と言って、早速食べている。
「これでアラビアコーヒーが出て来れば最高なのだが……」
探るような視線を舞に向けた。
「残念でした。日本にいる間は我慢してよ」
「判った、我慢しよう。その代わり、別のものを提供して貰おうか」
今度は琥珀色の瞳がスイッチオンになったらしい。テーブルから身を乗り出し、舞を見つめながら唇を寄せてくる。
「もうっ! アルってば、まだ午前中よ!」
舞はミシュアル王子の口にナツメヤシを押し込み、自分はおやつのホットケーキを口に運んだのだった。