琥珀色の誘惑 ―王国編―
二人は今、都内の一流ホテル、プレジデントスイート専用のテラスルームでお茶の時間を過ごしていた。
スイートは最上階で、その階と一つ下の階はクアルンの貸切。プラス、ミシュアル王子の命令で、周囲にはヘリが飛ばせないようになっている。
だからこそ、舞も普段着でのんびり寛げるのだ。
当然ミシュアル王子も、若草色のTシャツにベージュのパンツ、瞳の色にさえ気付かなければ、日本人に間違われそうなラフなスタイルである。
(ま、こんなに素敵な男性はそうそういないけどね)
浮かれた気分で舞は部屋をチラッと見た。
そこはプレジデントと名前がつくだけ、超豪華なスイートルーム。一泊で軽く公務員の月給が飛ぶだろう。ひょっとしたら二ヶ月分かも知れない。
こういったスぺシャルルームの存在を舞も噂には聞いていたが……。まさか自分が泊まることになるとは、夢にも思わなかった。
舞は大きめのコーヒーカップを両手で持ち、甘い香りをタップリと堪能する。クアルンに戻るとそうそう我がままは言えない。
その時、舞はふっと思い出したようにミシュアル王子に尋ねた。
「ねぇアル。結局、アーディル王子は来てくれなかったんだよね」
それが残念でならない。
スイートは最上階で、その階と一つ下の階はクアルンの貸切。プラス、ミシュアル王子の命令で、周囲にはヘリが飛ばせないようになっている。
だからこそ、舞も普段着でのんびり寛げるのだ。
当然ミシュアル王子も、若草色のTシャツにベージュのパンツ、瞳の色にさえ気付かなければ、日本人に間違われそうなラフなスタイルである。
(ま、こんなに素敵な男性はそうそういないけどね)
浮かれた気分で舞は部屋をチラッと見た。
そこはプレジデントと名前がつくだけ、超豪華なスイートルーム。一泊で軽く公務員の月給が飛ぶだろう。ひょっとしたら二ヶ月分かも知れない。
こういったスぺシャルルームの存在を舞も噂には聞いていたが……。まさか自分が泊まることになるとは、夢にも思わなかった。
舞は大きめのコーヒーカップを両手で持ち、甘い香りをタップリと堪能する。クアルンに戻るとそうそう我がままは言えない。
その時、舞はふっと思い出したようにミシュアル王子に尋ねた。
「ねぇアル。結局、アーディル王子は来てくれなかったんだよね」
それが残念でならない。