琥珀色の誘惑 ―王国編―
「何でもないわよ。前にアル=バドル一族のテントに泊まったでしょ? あの時、わたしのことを誤解して若い女の子が何人も泣いてたから……ヤイーシュが結婚したら、彼女たちもショックだろうなぁって思っただけ」
舞が澄ました顔で言うと膝に何かが触れた。なんとミシュアル王子がテーブルの下で足を伸ばし、爪先で舞の膝を突いてるのだ。
『陛下ともあろうお方が、お行儀の悪い』
アラビア語で叱ると、『うるさいぞ。正午のサラートまでの時間、寝室で過ごすのも良かろう?』などと言い返してくる。
実を言えば、ついさっきまで朝食も取らずに寝室で過ごしていたわけなんだが……。
「どうしようかな? ホントはアラビアコーヒーの用意もしてあるんだけどな~」
「え? そうなのか?」
「でも、アラビアコーヒーを飲んだ後は……キスは無し、ね」
舞はスッと立ち上がり、ミシュアル王子の真後ろに立った。
負ぶさるように腕を回し、彼の耳元でソッと囁く。
「ね、どうする? アラビアコーヒーとわ・た・し。どっちにする?」
黒い瞳の誘惑に、ミシュアル王子は軽く両手を挙げ、降参のポーズを取った。
舞が澄ました顔で言うと膝に何かが触れた。なんとミシュアル王子がテーブルの下で足を伸ばし、爪先で舞の膝を突いてるのだ。
『陛下ともあろうお方が、お行儀の悪い』
アラビア語で叱ると、『うるさいぞ。正午のサラートまでの時間、寝室で過ごすのも良かろう?』などと言い返してくる。
実を言えば、ついさっきまで朝食も取らずに寝室で過ごしていたわけなんだが……。
「どうしようかな? ホントはアラビアコーヒーの用意もしてあるんだけどな~」
「え? そうなのか?」
「でも、アラビアコーヒーを飲んだ後は……キスは無し、ね」
舞はスッと立ち上がり、ミシュアル王子の真後ろに立った。
負ぶさるように腕を回し、彼の耳元でソッと囁く。
「ね、どうする? アラビアコーヒーとわ・た・し。どっちにする?」
黒い瞳の誘惑に、ミシュアル王子は軽く両手を挙げ、降参のポーズを取った。