琥珀色の誘惑 ―王国編―
(う、うそ……王宮でしょ? 後宮でしょ? なんで男……わたしって殺されるの?)
「静かにしててくれよ。僕はあまり慣れてないから……暴れると痛くするかも知れない。心配いらない。金はたくさん持っている」
そう言って舞を見下ろした男は、どこかミシュアル王子に似た顔立ちをしていた。
いや、どっちかと言えば国王陛下に似ている気がする。瞳の色も国王と同じ濃いブラウンだ。
舞は懸命に身じろぎするが……。
男は舞より十センチは高く、二十キロは重そうだ。とても力比べでは敵いそうもない。あっという間に掛け布が引き剥がされた。
その時、舞は閃いた。
大きな音を立てれば、四方の部屋から女官が飛んで来るはずだ。
でも……やたら広いベッドの真ん中に、音がするような物は何もない。とにかく舞は必死に手を伸ばし、枕元の壁をバンバン叩いた。
「おっと、何をするんだ。お前は本当にじゃじゃ馬だな。どうしてこんな暴れ馬がいいんだ?」
侵入者のくせに、なに勝手なことを言っているのだろう。どこの世界に寝込みを襲われて、おとなしくしている女がいるのだ。
「静かにしててくれよ。僕はあまり慣れてないから……暴れると痛くするかも知れない。心配いらない。金はたくさん持っている」
そう言って舞を見下ろした男は、どこかミシュアル王子に似た顔立ちをしていた。
いや、どっちかと言えば国王陛下に似ている気がする。瞳の色も国王と同じ濃いブラウンだ。
舞は懸命に身じろぎするが……。
男は舞より十センチは高く、二十キロは重そうだ。とても力比べでは敵いそうもない。あっという間に掛け布が引き剥がされた。
その時、舞は閃いた。
大きな音を立てれば、四方の部屋から女官が飛んで来るはずだ。
でも……やたら広いベッドの真ん中に、音がするような物は何もない。とにかく舞は必死に手を伸ばし、枕元の壁をバンバン叩いた。
「おっと、何をするんだ。お前は本当にじゃじゃ馬だな。どうしてこんな暴れ馬がいいんだ?」
侵入者のくせに、なに勝手なことを言っているのだろう。どこの世界に寝込みを襲われて、おとなしくしている女がいるのだ。