ドロップ☆ガール
「ズルっ!待ってよ」


少女は猫が元いた塀によじ登り、背伸びをしながら首を左右に動かしている。猫を探しているようだ。


「ふーんだっ」


少女は腰に手を当て口を尖らせる。そして今度は塀の上を歩き始めた。


はた

はた


音がする。少女は塀と平行に延びる線を見上げた。


黒くて、太い嘴を持つ鳥が慌ただしく走っていた。


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