ドロップ☆ガール
掌の雨粒はゆっくりと丸くなり、柔らかな光を帯び始めた。


少女は瞼を開け、その小さく丸い瞳で掌の光に微笑みかける。そして大事そうにそうっと、息を吹きかけた。


すると一瞬、掌の光は強さを増し、少女は白い閃光に包まれた。


「ふう」


掌にはころん、と赤く丸い粒が出来ていた。


少女は空いている方の手でポケットをもぞもぞ、とまさぐり、澄んだ色の小瓶を出した。


小瓶には先程の丸い粒とよく似た、色違いの色とりどりが幾つか入っていた。


少女は小瓶の蓋をきゅ、と開け、からん、と赤い粒を入れた。


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