弟矢 ―四神剣伝説―
四、鬼か、勇者か
――我を手に。
正三の背に、戦いに相応しい剣があった。
――我が半身を取り戻し、勇者となれ。
必ず、神剣を取り戻す。万にひとつも、自分が勇者に選ばれた時は……。
正三の右手は『青龍二の剣』の柄を握った。
「正三! 駄目だ……抜くなっ!」
「姫様、私も遊馬の血を引く者。鬼となっても『一の剣』は抑えて見せましょう。乙矢、後のことは頼むぞ!」
「ちょ、待てよ! 頼まれても……俺にどうしろってんだ!!」
「しょうざぁ!」
弓月の悲鳴を振り切り、織田正三郎は『青龍二の剣』を抜き、静かに構えた。
正三の背に、戦いに相応しい剣があった。
――我が半身を取り戻し、勇者となれ。
必ず、神剣を取り戻す。万にひとつも、自分が勇者に選ばれた時は……。
正三の右手は『青龍二の剣』の柄を握った。
「正三! 駄目だ……抜くなっ!」
「姫様、私も遊馬の血を引く者。鬼となっても『一の剣』は抑えて見せましょう。乙矢、後のことは頼むぞ!」
「ちょ、待てよ! 頼まれても……俺にどうしろってんだ!!」
「しょうざぁ!」
弓月の悲鳴を振り切り、織田正三郎は『青龍二の剣』を抜き、静かに構えた。