弟矢 ―四神剣伝説―
夜を待たず、里は百人程度の蚩尤軍兵士に囲まれた。
率いているのは武藤小五郎。そして、彼の手元には、鞘に納まり封印された神剣『青龍一の剣』があった。
「狩野様は一体何を考えておるのか!」
あの方の指示で、狩野が精鋭部隊を指揮し、乙矢と新蔵を襲う手筈になっていたのだ。ところが、部隊長に指揮を委ね、どこぞに姿を消したと言う。
つい先日も黙っていなくなり、舞い戻ったばかりであった。
武藤にはまだ、あの二人に部隊が叩きのめされたことまでは届いていない。時折見せる乙矢の剣才には、非凡なものを感じるが……それを勇者と繋げることはなかった。
「しかし、武藤様。この神剣は、いったい誰が、我らに……?」
わからぬことは狩野の行動だけではない。この『青龍一の剣』が届けられたのも不可思議なことであろう。『青龍』一対を奪い返すため、山狩りをして奴らの逃げ落ちた先を探す算段であった。
そもそも、もっと素早く動けば逃がすこともなかったのだが……。待機が指示とあれば仕方がない。
そんな中、突如、神剣と共に奴らの居場所が伝えられ、襲撃の命令が下ったのである。
率いているのは武藤小五郎。そして、彼の手元には、鞘に納まり封印された神剣『青龍一の剣』があった。
「狩野様は一体何を考えておるのか!」
あの方の指示で、狩野が精鋭部隊を指揮し、乙矢と新蔵を襲う手筈になっていたのだ。ところが、部隊長に指揮を委ね、どこぞに姿を消したと言う。
つい先日も黙っていなくなり、舞い戻ったばかりであった。
武藤にはまだ、あの二人に部隊が叩きのめされたことまでは届いていない。時折見せる乙矢の剣才には、非凡なものを感じるが……それを勇者と繋げることはなかった。
「しかし、武藤様。この神剣は、いったい誰が、我らに……?」
わからぬことは狩野の行動だけではない。この『青龍一の剣』が届けられたのも不可思議なことであろう。『青龍』一対を奪い返すため、山狩りをして奴らの逃げ落ちた先を探す算段であった。
そもそも、もっと素早く動けば逃がすこともなかったのだが……。待機が指示とあれば仕方がない。
そんな中、突如、神剣と共に奴らの居場所が伝えられ、襲撃の命令が下ったのである。