弟矢 ―四神剣伝説―
「戦え、乙矢! 私の命をお前にやる。さあ――抜けっ!」
正三の声に力が漲った。それは、消え逝く蝋燭が最期に放つ、あらがい難い、命の熱さで満たされ――その熱い想いは、ついに乙矢の心に、消せない炎を灯す。
乙矢は目を閉じ、ゆっくり息を吐く。
そして、正三の胸に突き刺さる『青龍一の剣』の柄を握り締める。
「正三……お前の命に誓う。弓月殿を守り、四神剣を取り戻し、この国を安泰に導く事を。守る為に、『青龍一の剣』を申し受ける! 赦せ、正三!」
正三の胸から引き抜かれた神剣は、血に染まりながらも、清んだ青さを湛えていた。
わずかに、命を引き止めていたものがなくなり……彼の胸から、残り少ない生きる証が溢れ出る。
乙矢は神剣を引き抜くと同時に、新蔵の後を追った。決して、後ろを振り返ることなく――。
正三の声に力が漲った。それは、消え逝く蝋燭が最期に放つ、あらがい難い、命の熱さで満たされ――その熱い想いは、ついに乙矢の心に、消せない炎を灯す。
乙矢は目を閉じ、ゆっくり息を吐く。
そして、正三の胸に突き刺さる『青龍一の剣』の柄を握り締める。
「正三……お前の命に誓う。弓月殿を守り、四神剣を取り戻し、この国を安泰に導く事を。守る為に、『青龍一の剣』を申し受ける! 赦せ、正三!」
正三の胸から引き抜かれた神剣は、血に染まりながらも、清んだ青さを湛えていた。
わずかに、命を引き止めていたものがなくなり……彼の胸から、残り少ない生きる証が溢れ出る。
乙矢は神剣を引き抜くと同時に、新蔵の後を追った。決して、後ろを振り返ることなく――。