弟矢 ―四神剣伝説―
「乙矢どの――皆実家の宗主が斬れますか?」
「ああ。言ったろ、俺は二度と誰からも逃げないって」
「ほんの数日で、こうも変わるものなのですね」
凪はホッとしたように口にする。
しかし、乙矢の答えは……
「正三に教わったんだ。剣士の生き方と――死に方を」
乙矢は立ち上がり『白虎』を腰に差した。
そして、返答に詰まる凪たちに向かい、
「じゃ、ちょっと行って来る。――新蔵、そんな顔すんな。ちゃんと戻って来て、女の抱き方は俺が教えてやるからさ」
「死んでもご免だ! 誰が貴様の心配なんぞするものか! 弓月様だけは無事に返してくれ……貴様は勝手に死ね!」
憤懣やるかたない、といった口調で新蔵は我鳴った。
「ああ。言ったろ、俺は二度と誰からも逃げないって」
「ほんの数日で、こうも変わるものなのですね」
凪はホッとしたように口にする。
しかし、乙矢の答えは……
「正三に教わったんだ。剣士の生き方と――死に方を」
乙矢は立ち上がり『白虎』を腰に差した。
そして、返答に詰まる凪たちに向かい、
「じゃ、ちょっと行って来る。――新蔵、そんな顔すんな。ちゃんと戻って来て、女の抱き方は俺が教えてやるからさ」
「死んでもご免だ! 誰が貴様の心配なんぞするものか! 弓月様だけは無事に返してくれ……貴様は勝手に死ね!」
憤懣やるかたない、といった口調で新蔵は我鳴った。