弟矢 ―四神剣伝説―
手配書が回ったんじゃ、とても細々と、なんてやっては行けない。いや、それ以前に、お六殺しは濡れ衣でも、人殺しになってしまったことは確かだった。
「待て。なあ、おゆき、俺じゃないよ。でも、俺はもう宿場には戻れない。だから、お前は見つからないうちに早く帰るんだ」
そんな乙矢の言葉に、おゆきは、キッと弓月らを睨みつけた。
「こいつらだね! こいつらが、謀反人の残党なんだね。お前さんはこの連中に利用されてるだけなんだ。目を覚ますんだよ! 付いて行っちゃ駄目だ!」
どうやら、宿場で起こった事態の収拾に、表向き、乙矢には色々な罪状が付けられたようだ。弓月たちにとっては、罪状の一つや二つ、今更というものだろう。
おゆきはそのまま、弓月のほうへ一歩進んだ。
「この人を何処に連れてく気だい。あんたらの好きにはさせないよ!」
「お、おい。おゆき……」
「心配しなくていいよ、乙矢さん。お前さんはあたしにとって、大事な人なんだ。あんただってそうだろう? でなきゃ、あんなふうにあたしのこと庇ってくれないよ。ちゃんとわかってる。お前さんのことは、あたしが守るからね」
どっちみち、女に守られる定めのようだ。
乙矢は片手で額の辺りを押さえ、溜息をついた。
「待て。なあ、おゆき、俺じゃないよ。でも、俺はもう宿場には戻れない。だから、お前は見つからないうちに早く帰るんだ」
そんな乙矢の言葉に、おゆきは、キッと弓月らを睨みつけた。
「こいつらだね! こいつらが、謀反人の残党なんだね。お前さんはこの連中に利用されてるだけなんだ。目を覚ますんだよ! 付いて行っちゃ駄目だ!」
どうやら、宿場で起こった事態の収拾に、表向き、乙矢には色々な罪状が付けられたようだ。弓月たちにとっては、罪状の一つや二つ、今更というものだろう。
おゆきはそのまま、弓月のほうへ一歩進んだ。
「この人を何処に連れてく気だい。あんたらの好きにはさせないよ!」
「お、おい。おゆき……」
「心配しなくていいよ、乙矢さん。お前さんはあたしにとって、大事な人なんだ。あんただってそうだろう? でなきゃ、あんなふうにあたしのこと庇ってくれないよ。ちゃんとわかってる。お前さんのことは、あたしが守るからね」
どっちみち、女に守られる定めのようだ。
乙矢は片手で額の辺りを押さえ、溜息をついた。