そして彼女にキスをする
そう言い残し会社に入る。
迷惑そうに見る社員達。
明日も来るからな!

翌日、
「また来たのか。何度来ても同じだよ。君には話せない。」
その翌日も翌々日も行く。
突然母から電話が懸かって来た。
「あんた予備校行ってないんだって。電話があったわよ。」
まだ数日しか休んでないのに。
「何やってんの。遊ばす為に一人暮らしさせてる訳じゃないのよ。それとも具合でも悪いの。」
「イヤ別にたいした事じゃないよ。明日からちゃんと行くから。」
本当に大丈夫、絶対よと言われ、わかったから、約束するからと電話を切る。
「それどころじゃないのに…。」
それにしてもこんなにすぐに電話が行くなんて…。
中学や高校じゃあるまいし。
なんだか気が抜けた。
特に手がかりがある訳じゃないから、あの街、この街と歩き回っていたのだ。
もちろん何もなし。
どっと疲れた。
今日はもう休もう。
また明日会社に行って、それから予備校に行けばいいだろう。
遅刻ぐらいなら電話もすまい。
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