そして彼女にキスをする
第十六章
電話が鳴る。
母からだ。
「随分高い請求書が来てるわよ。何なの?これ。」
「引っ越そうかと思ってさ。せっかくだから色々買い替えたんだ。悪いけど頼むね。」
「もう…、今の所でもいいのに。」
「ゴメン。予備校の近くの部屋が空いたんだ。やっぱり便利だし、そっちにしようと思ってさ。」
「引っ越すにしたって、買い替えなくたって。そんなに悪くなってないでしょ。」
「元々、中古で買ってるからすぐ悪くなるんだよ。じゃあ頼むね。」
まったくもうと母の声。
もっと言われないうちに、電話を切る。
「“海”…。」
“海”の体を入れるための冷たい箱。
実はこれのためのお金なのだ。
“海”…。
これでずっと一緒だ…。
そして彼女にキスをする。
母からだ。
「随分高い請求書が来てるわよ。何なの?これ。」
「引っ越そうかと思ってさ。せっかくだから色々買い替えたんだ。悪いけど頼むね。」
「もう…、今の所でもいいのに。」
「ゴメン。予備校の近くの部屋が空いたんだ。やっぱり便利だし、そっちにしようと思ってさ。」
「引っ越すにしたって、買い替えなくたって。そんなに悪くなってないでしょ。」
「元々、中古で買ってるからすぐ悪くなるんだよ。じゃあ頼むね。」
まったくもうと母の声。
もっと言われないうちに、電話を切る。
「“海”…。」
“海”の体を入れるための冷たい箱。
実はこれのためのお金なのだ。
“海”…。
これでずっと一緒だ…。
そして彼女にキスをする。