こちらミクモ探偵事務所4
「諦めたらそこが最後!!」
「元気な子だね」
呆れたようにため息をつく冬也。
羽兎は拳を冬也の方へ向けた。
「元気があれば何でもできる!!アナタをボコボコにして、外へ出ることだって――」
「だったら先にオレの話を聞いてくれない?」
彼は近くにあった椅子を引き寄せ、ゆっくりと腰掛けた。
羽兎も握っていた拳を下ろす。
「それでよろしい」
冬也は満足そうに頷くと、真っ赤に積まれたリンゴの籠をテーブルの上に置いた。