こちらミクモ探偵事務所4

面倒だが、戻る他ない。
恵一は渋々と返事をした。

「そう言えば、何かあったんですか?」

『何が?』

「いや、さっき『そっちの方は?』って言ったから」

『あー……あれか』

電話の向こうから苦笑いが聞こえる。
すると、長斗は少し声のトーンを落として話し出した。

『実は、困ったことが起きてな』

「困ったこと?」

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