こちらミクモ探偵事務所4

狸翠の声が沈む。
自然と恵一のトーンも落ちる。

『お前さ、今のまま署に帰ってきても使い物にならない。だから帰ってくるな』

「そうですか……」

確かに、このまま戻ったら羽兎が誘拐されたことを話してしまいそうだ。

『だから、今は紘哉の側にいて支えてやれ』

「!!何で紘哉の事――」

『……じゃあな』

「あ!ちょっと!!」

用件を一方的に話し、一方的に切ってしまった。

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