こちらミクモ探偵事務所4



「……」

あの後、羽兎は冬也から話を聞いた。

自分か紘哉が死ねば、冬也は自首をする。
そして、自分が死ねば紘哉の命は救われる。
これからも彼は探偵を続けることができる。

彼女はぐるりと部屋を見回した。

ベッドの上に、小さな窓。
灰色の石造りの壁のせいで、寒く感じる。
天蓋付きのベッドの側にあるランプ。
テーブルの上に置いてあるリンゴの籠。

「はぁ……」

羽兎は小さくため息をついた。

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