こちらミクモ探偵事務所4
*
「……」
あの後、羽兎は冬也から話を聞いた。
自分か紘哉が死ねば、冬也は自首をする。
そして、自分が死ねば紘哉の命は救われる。
これからも彼は探偵を続けることができる。
彼女はぐるりと部屋を見回した。
ベッドの上に、小さな窓。
灰色の石造りの壁のせいで、寒く感じる。
天蓋付きのベッドの側にあるランプ。
テーブルの上に置いてあるリンゴの籠。
「はぁ……」
羽兎は小さくため息をついた。