こちらミクモ探偵事務所4

「いいニュース……?」

涙で頬を濡らしながら羽兎が訊く。
冬也は薄く笑う。

「死ぬ前に、別れを言う事を許してあげる」

そう言って、彼はポケットから羽兎の携帯電話を取り出した。
ピンク色の使い古した携帯電話。

「お父さんに連絡するのはナシだから」

「じゃあ……」

「うん。キミのお世話になった探偵さんに、最期の挨拶しておいで」

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