こちらミクモ探偵事務所4

「……不本意だけどな」

「そうだね……でも、このままだと確実に彼女が死ぬよ」

紘実の言葉は、ナイフのように彼の心を突き刺す。
紘哉の眉間にシワが寄った。

その顔はとても辛そうだ。

「ねぇヒロくん、何でそこまで必死になれるの?」

「野暮な質問するなよ。人の命が懸かってるんだから当たり前だろ」

「でも……」

「赤の他人に自分の生死握らされてたまるか。
そこまでやっていいほど、人間は偉くない」

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