こちらミクモ探偵事務所4

『もしもし?花形サン?』

電話から霞の呼び掛ける声が聞こえる。
その呼び掛けの声は恵一の耳に届いていなかった。

「その……悪ィ」

「……別に」

フイッと顔を背ける紘哉。
明らかに不機嫌になっている。
ここは触れない方が無難だ。

「もしもし?」

恵一は再び電話に出た。
その途端に霞の不機嫌な声が聞こえてくる。

『花形サン、相手の話に口を出すのは野暮ッスよ』

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