こちらミクモ探偵事務所4
塔の階段を駆ける。
等間隔で設置されている小窓から、月明かりが差し込む。
やがて、夏紀が寝ている部屋の前へ着いた。
「開かずの間なんて……」
「紘哉!隣だ!」
「隣……?」
興奮して壁を指す恵一。
紘哉は怪訝な顔をし、彼の指の差す方を見た。
暗くてよく見えない。
しかし、わずかながら隣の壁と色が違っていた。
「開けるぞ」
ドアに手を伸ばす紘哉。
厚みを持ったドアは、重そうにゆっくりと開いた。