こちらミクモ探偵事務所4

書いてあることから恐らく、冬也の残したメモだと推測できる。
紘哉は苦々しく舌打ちをした。

「紘哉、何かリンゴから微かにアーモンド臭がするんだけど……」

恵一がリンゴを手にとってじっくり見ている。
アーモンド臭と言われ、思い出すことはただ一つ。

「……青酸カリでも塗ってあるんだろうな」

「おっひゃあ!!」

変な声を上げ、リンゴをその場に落とす恵一。
その目は若干潤んできている。

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