こちらミクモ探偵事務所4
無言で彼女に近寄る。
天蓋付きのベッドで眠る彼女は、この間と同じように美しい顔立ちをしていた。
紘哉はベッドの端に座り、そっと彼女の頬を人差し指で撫でる。
その時、微かに彼女が反応した。
頬から指を離し、淡々とした口調で呼び掛ける。
「起きてるのは分かってる。詳しく話を訊かしてもらおうか」
それでも彼女は何の反応を示さない。
彼は彼女の耳に口元を寄せると、低く甘く囁いた。
「なぁ……夏紀」