こちらミクモ探偵事務所4

紘哉はベッドから腰を上げ、夏紀を見据えた。
相変わらず彼女は嫣然に微笑んでいる。

「さて、どうしてこうなったのか説明してもらおうか」

「どう言うこと?」

「言わなければ分からないのか?」

「……」

口許に手をちょんと当て、考え込む夏紀。
やがて、彼女は口を尖らせた。

「どこから話したらいいのか分からないよ」

「……そんなにあるのか?」

思わず呆れてしまう。
彼女は小首を傾げた。

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