こちらミクモ探偵事務所4

「ケイ……お前……」

呆然と彼を見つめる紘哉。
恵一は照れたようにニコッと笑った。

「羽兎さんなら石谷に預けた。後は任せとけって、俺を途中で降ろしてくれたんだ」

「でも拳銃……」

「奇跡的に予備の弾があったんだよ!」

「そうか……」

一息つきたいところだが、まだまだ安心はできない。
紘哉はチラリと夏紀の顔を見た。

「……」

柳眉は険しく寄り、悔しそうな顔をしている。

「ほら、行くぞ」

再び恵一は険しい顔に戻る。
三人は今度こそ、本当に塔を出ていった。

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