こちらミクモ探偵事務所4

「だから何で戻ってくるんだ――」

紘哉のネクタイを引っ張り、背伸びする夏紀。

三秒だけ触れる二人の唇。

彼女はサッと離れると、ニッコリと微笑んだ。

「もし、死刑とか無期懲役じゃなかったら……あたし、紘哉と結婚する!」

「……」

「それじゃあ、ね」

夏紀は背を向けて、パトカーへ向かって歩き出した。
もう彼女が振り向くことはなかった。

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