こちらミクモ探偵事務所4

「バカバカうっさいなぁ!!」

声をあげるも、まだ声は頭に響いたままだ。

『反論したきゃ、とっとと戻って来いよ』

「どこに!?」

『上だ、上』

言われるがままに見上げる羽兎。
もうここには、ほとんど光が入ってこない。

羽兎は戻ろうと、上に向かって泳ぎ出した。

『行っちゃうの?』

途端に女の子の悲しそうな声が聞こえてくる。
羽兎は振り向き、見えない相手に向かって小さく笑った。

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