こちらミクモ探偵事務所4

「ごめんね。何か頭きたから、一発ひっぱたいて戻ってくる」

『行かないで。行ったら戻ってこられなくなるよ』

「でも……」

『行っちゃ嫌だ』

その声と共に、女の子は羽兎の目の前に現れた。

それは――幼い頃の羽兎だった。

小さな羽兎は泣きそうな顔をして、一生懸命羽兎の手を引っ張っていた。

『嫌だよ!行っちゃヤダ!』

「……」

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