こちらミクモ探偵事務所4

「無理しちゃダメッス。あと二、三日は入院の必要があるって」

「えぇー……帰りたい」

「そんな弱々しい声で言われたら余計無理ッスよ」

部屋の中を見回してみる。
ふと、部屋の隅に立っている人影と目があった。

「お父さん……」

小さく呟く。
羽兎の父親――龍二は娘に近寄り、ガバッと抱き締めた。

「ごめんな……何にもできなくて」

「お父さん……」

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