こちらミクモ探偵事務所4
*
今日も静かだ。
紘哉はチョコーヒーを傍らに、孫紗江のミステリー小説を読んでいた。
羽兎の母親は、娘が危険な目に遭ったことを知っているのだろうか。
そんなことを考えていると、事務所のドアが勢いよく開いた。
「紘哉さーん!!」
元気そうな羽兎の声。
紘哉は本から顔をあげた。
「うるさい。もう少し静かに入って来れないのか」
「退院して復帰したって言うのに、第一声がそれ!?酷くない!?」