こちらミクモ探偵事務所4



今日はあまり調子が出ない。
場所が場所だからかもしれないと、自分を慰める。

「ねぇ、そこのお兄さん」

頭を冷やそうと、廊下を歩いていると声を掛けられた。
無言で振り向く紘哉。

そこには水晶玉を持っている女性が立っていた。
目元にベールが掛かっていて、顔がよく見えない。
彼女はピンク色のウェディングドレスのようなものを着ていた。

思わず紘哉は眼鏡を押し上げる。
もちろん、度は入っていない。

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