☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「お土産かぁ……
それは、最後の方がいいね……じゃあ、こっちに行こう」
どうやら、聖真さんは行くところを決めているみたいだ。
わたしは聖真さんにぐいぐいと引かれて歩いた。
「どこに行くんですか?」
「それは着いてからのお楽しみ」
聖真さんに聞いてもこれから行く場所を教えてくれなかった。
一体どこに向かってるんだろう。
というか、聖真さん、もしかしてここに来るの初めてじゃない?
すごく道に詳しくない?
わたしはただ引かれて歩いているだけだけど、聖真さんは案内板とか携帯とか一切見ていない。
「聖真さんってここに来たことあるんですか?」
「うん、何回かあるよ。
小さい時の方がよく来てたけど」
寂しそうにでも、どこか懐かしむように聖真さんは答えた。