☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
聖真さんが見る方に視線を向けると、走ってこっち向かって来る翡翠の姿があった。
「珠莉!」
翡翠もこっちに気がついたらしくて、わたしの名前を呼んだ。
「お迎えだ。
行っておいで」
聖真さんに促され、わたしは翡翠の元に駆け寄り、抱き着いた。
「翡翠!」
「珠莉………無事か?」
抱き着いたわたしの顔を確認する翡翠。
「大丈夫だよ」
そう言ったけど、わたしは涙を我慢することが出来なくなっていて、泣いてしまった。
それを見た翡翠の顔は険しくなる。
「聖真………てめぇ……何をした!?」
少し離れたところにいる聖真さんに翡翠は叫ぶ。
違う………聖真さんは………
「翡翠……違うの………聖真さんは………何もしてない………」
聖真さんに怒る翡翠を止めた。