☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「いいえ、べつに何もありません。
ただ、彼女に忠告してあげようと思って…………」
忠告………?
「浮気されないように頑張って下さいね」
浮気って………
翡翠はそんなこと………
「私の時は何人もの方と浮気をされていましたから」
私の時……?
この人…………もしかして………
「お嬢様!」
今度は誰?
お嬢様って………執事?
「ああ、ごめんなさい。
勝手に居なくなって」
屋敷から漏れる光で走ってユカさんの傍に来た、男の人の顔が見えた。
え………うそ…………
なんで、この人が………こんなところに?
わたしは自然と翡翠の服の裾を掴んだ。
「珠莉?」
翡翠に呼ばれたけど、今はそれどころじゃない。
わたしは男の人から目が離せなかった。